2023.7.19

 露地キュウリの秀品率を上げたい。その気持ちは常々ありましたが、いったいどうやったらいいか悩んでおりました。油断したら勝手に曲がるし、傷だらけになるし、べと病をはじめ病気は多発するし、樹勢は安定しないし、どこからてをつけていいものやら・・・。

今年、ついに解決の糸口が見えてきました。上は、本当に基礎的な液肥の単肥原料です。私の友達に静岡でイチゴの高設栽培をしている人がいるのですが、その人は肥料溶液を単肥等を買ってきて自分で配合しており、作物の状態に合わせて一部濃度調整をしているようなのです。自分で作っているのもすごいですが、それよりも、それぞれの肥料成分をどのような濃度にするべきなのか、その意味を常に考え、ベストな肥料原料の組み合わせを日々精進して導き出そうとしている姿勢がすごいです。通常様々なメーカーが出す溶液栽培システムでは、二~三液タイプの配合肥料を水に溶いて肥料原液を作ります。その肥料原液の使用割合はもちろん変えますが、中身はいじらないと思います。やらなくてもきれいにできるからです。しかし、今以上を狙うとなると・・・。自分にはそこが足りないと自覚しました。きゅうりは基本的にたい肥をぶち込んで化成肥料と微量要素を施用しながらマルチングし、あとの管理は溝に化成肥料をパラパラ、潅水チューブに農協で買ってきた安い液肥を灌注、樹勢見ながら尿素別添していました。水管理は潅水チューブで。考えているつもり・・・でした。

 友達がやっているのはイチゴで、キュウリのことはわからないのでそこから調べるように念を押されました。調べてみると、どうもアンモニア態窒素が苦手なようだということがわかりました。また、一回に与える液肥由来の窒素成分は0.3~1kg/10aくらいが目安みたいです。私は尿素を結構な量別添していたので、そこは完全に間違っていました。液肥を施用した翌日はきゅうりが曲がるので(これも、肥料成分の割合とが量がまちがっているため)、それを防ぐため潅水量を増やしていました。また、溝肥を利かせるために時々溝にたまるまで潅水をしていました。最近の化成肥料の窒素成分は硫安、尿素主体なので・・・、要は、アンモニア態窒素と水ガンガンいって、きゅうりを作っていたということです。そりゃあ、病気も多発するよ。去年は、葉っぱはどす黒い緑色でした。べと病や炭疽病は防除では止まらない病気だと思っていました。今年は防除一発で止まりました。びっくりです。きゅうりの変形果も去年に比べて少ないです。葉色も少し薄めで、リン酸とマグネシウムがしっかり効いている色です。

 私は露地で広い面積を利用した土耕栽培が主なので、細かい肥料濃度調整なんて考えたこともなく、いつだって土の緩衝能力に頼った生産をしていることに気づきました。しかし、実際肥料濃度を考えてきゅうり栽培やってみると、面白いほど様々な化学反応が、タイムリーにしかも同時進行でドラスティックに行われていることに気づけました。友達に感謝感謝です。今年はこの写真の液肥ニードルを相棒に、単肥の配合をいろいろいじって、きゅうりを懐柔し秀品率アップをめざすぞ。それが、露地栽培の他の品目の秀品率アップにつながるはず!!!