2022.12.5

 長年、ロータリー耕を施していると必ずどこかに土が偏っていきます。弊社は正転耕が多いので圃場がすり鉢状になりがちです。また、マルチャーでの畝たてや逆転耕、スタブルカルチによる簡易耕はロータリーを上げたところが盛り上がります。それらが複雑に影響して弊社特有の圃場の土の偏りが出来上がっていきます。その偏りが圃場の表層水の排水に悪影響を与えているのは明白で、それを改善する方法をずっと検討していました。レーザーレベラーは大きな圃場の高さを精密にならしたり微妙な傾斜をつけたりと素晴らしい能力を持つ器械ですが、弊社が管理する小さな圃場では効果を発揮しづらいと聞きます。また、圃場の四隅等は苦手です。水田化しての代掻きは、弊社が米を作っていないこともありますが、水事情にうるさい香川県ではなかなか試せない手法です。等々、思い当たる手法はいっぱいあるものの現場レベルで考えると今一つピンとくるものが見つかりませんでした。

 今回は、イガラシの後方バケットを導入して、物理的な土の移動による平坦化を行いました。これはバケットを地面におろして走行するだけで、バケットの後方のすきが土をすくってためてくれるという優れモノで、あとは低いところに落とすだけ。簡単、楽勝・・・と思っていたら案外骨の折れる作業でした。まず、土をすくうところが平坦であること、硬すぎないこと、また耕運したあとでは土をすくってくれないなど、結構条件が限定されること。また、平坦化しようとすれば少なくともバケット満タンで十数回~数十回は土を移動させなければならないこと等です。なので、全圃場を施工しようとすると相当時間がかかることは明白です。しかし、着実に平坦化はできるのでしばらくはこの方法で頑張るとします。